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しろばんば【井上 靖】
最近本屋で”コレ”と思うものに出会わないので、本棚から昔のものを引っ張り出してみました。のーんびり読める本、井上靖。

中学校の国語の教科書に載っていて、私の記憶では初めて、いわゆる文学作品として本を買って、何度も読んだ忘れられない一冊なんです。(細かい内容はあんまり覚えてなかったけど


この小説は井上靖の自伝小説といわれていて、主人公の洪作の成長記。後「夏草冬濤」「あすなろ物語」に続いていく第一部にあたります。ストーリーがあるわけではなく、小さな小さな日常生活から少年洪作がほんの少しずつ色んなことを知っていくという過程がなんともいえずほほ笑ましく切なく、ほろ苦い・・・。

大正時代のお話なので、へー、昔はこうだったんだぁ、的なことがいっぱい。

やたら偉い”教師”という立場
よそから来た子に石を投げてはやす子供たち
数日旅をするというだけで村人総出で送り出す人たち
石ころで殴っても”男の子はそれくらいの元気がなきゃ”と言う殴られた側の親
台風が来た夜には何人もの村人が風雨の中お見舞いにやってくるという慣習・・・

書いていた当時では当たり前のことだったんだろうけど、この現代に読むと全てが新鮮でなんだかとても温かいものに触れた気がするのです。今となっては自分が中学生の時どういう感想を持って読んでいたか全く記憶にないのが残念ですが、やっぱり好きな小説でした。



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